本当のSOSに気づけなかった後悔
書くことを始めると、
潜在意識に閉じ込めていることが沢山あることを知る。
人は97%が潜在意識、顕在意識は3%だなんて。
今まで知らなかった。
書くことを始めて、心の奥に封じ込めている記憶。
どんどん出てくる。
いいことも、悪いことも。
辛いことはさらに心の奥底に封じ込めている。
これもててママ。
ててママの素材は何からできてるのか探しには、
時には嫌なことも書き留めてみよう。
親友の突然の死。
ててママは33歳で看護学生になった。
全力で後押ししてくれた友人S。
Sは、なんでこんなに人のために行動するんだろう。
なんでこんなに人を信じることができるんだろう。
なんでこんなに魅力的なんだろう。
ててママが慣れない土地で暮らし始めた時、
社宅の仲間以外で沢山のこと助けてくれた大切な親友。
夢や希望をよく語りあった。
なのに、本当のSOSに気づけなかった。
気づけなかった自分自身をとても責めた。
それなのに看護師になる資格あるのかなあ。
身近な人の気持ちも救えないのに。
多くの人の気持ちに寄り添えるのかなあ。
両親が他界したててママにSの家族は親のように接してくれた。
そんな家族と親類が、
狭い病室に大勢Sの周りを囲み、
家族の泣き声で埋め尽くされてた。
Sはとても、穏やかで優しい表情をしていた。
前日のことだった。
「飲みに行かない?」
「珍しいね。なんかあったの?」
「何も無いけど、忙しいよね、ごめん」
「これから夜勤なんだ」
「じゃあ、またね」
これが最期の言葉。
翌日、なんだか胸騒ぎがした。
Sに電話をしても繋がらない。
帰宅したすぐ後だった。
集中治療室の同僚に電話をかけた。
「30代くらいの女性運ばれてないよね?」
まさかは現実になっていた。
海に車ごと身を投げてしまった。
その直後家族からの電話。
30代の女性はSだった。
Sが大きな悩みを抱えていることは知っていた。
「今は大変だけど一緒に頑張ろう」って、
未来を語りあっていたのに。
本当に素敵な女性だった。
サバサバして、時に天然で、笑顔が可愛くて。
友人Sが運び込まれた病院はててママの病院だった。
Sのお母さんが、「あなたに会いたかったのかね」と
ぽつりと言った。
久しぶりに顔を思い浮かべたら、やはり涙が止まらない。
あの時、少しでも「会おう」って言ってたら。
『今から会おう』と言えてたら。