発見
「自分の正義と他人の正義は違う」
見方、捉え方が違うと、感じ方も考え方も変わる。
私にとって、そのことに気付かせてくれた社宅。
違った環境で育った仲間達。
小社会の数々との関わりから多くを学ぶのだと。
「普通さあ・・・だよね」
「これが普通じゃない?」
ててママは、そう言いがちだった。
ある日の午後、ベランダ越しに声かけられる。
「どうしていつもそんなに早く洗濯物乾くんです?」
「普通に朝洗濯したら乾きますよ」とててママ。
「私起きるの昼すぎなんですう」
「え〜!」
そもそもが違う。
長野の田舎から夫の転勤で神奈川にやってきたててママ。
「電車もいっぱい、東京にも近い、買い物も便利」
「江ノ島も近いし最高」
一方大阪の繁華街から転勤してきた友人M。
「田舎やわあ、電車も不便やし、買い物も不便やろ」
「え〜?」
ある日食事に招待された。
お好み焼きと、白いご飯の組み合わせ。
??????
ててママはお好み焼きをおかずに白米を食べる文化がなかった。
「せえへんの、普通よ、食べて食べて」
はたまたスレンダーでおしゃれママ東京出身のM。
爪のお手入れしっかり。
「その爪でどうやってご飯作るの?」
ハサミを起用に使いこなし
野菜もうどんも、ぱちぱち。
なるほどー。
社宅は人生の学習塾となった。
小さな発見が毎日あった。
社宅は取り壊され、住宅地になっている。
今はみんなそれぞれの場所で暮らしているが
”てて”と”ててママ”にとっては、大事な家族。
ててママの日常は、こうでなければならない。と
思い込んでいたことだらけだったと教えられた。
厳しい父の教えで、
ててママの常識と正義が作られていた。
別に悪いわけではないが、十人十色。
どれも正解。
私は私、父は父、人は人、みんな違っていい。
エピソードがどっと溢れ出る。