ててママの変化その3

発見

自分の正義と他人の正義は違う

見方、捉え方が違うと、感じ方も考え方も変わる。

私にとって、そのことに気付かせてくれた社宅。

違った環境で育った仲間達。

小社会の数々との関わりから多くを学ぶのだと。

「普通さあ・・・だよね」

「これが普通じゃない?」

ててママは、そう言いがちだった。

ある日の午後、ベランダ越しに声かけられる。

「どうしていつもそんなに早く洗濯物乾くんです?」

「普通に朝洗濯したら乾きますよ」とててママ。

「私起きるの昼すぎなんですう」

「え〜!」

そもそもが違う。

長野の田舎から夫の転勤で神奈川にやってきたててママ。

「電車もいっぱい、東京にも近い、買い物も便利」

「江ノ島も近いし最高」

一方大阪の繁華街から転勤してきた友人M。

「田舎やわあ、電車も不便やし、買い物も不便やろ」

「え〜?」

ある日食事に招待された。

お好み焼きと、白いご飯の組み合わせ。

??????

ててママはお好み焼きをおかずに白米を食べる文化がなかった。

「せえへんの、普通よ、食べて食べて」

はたまたスレンダーでおしゃれママ東京出身のM。

爪のお手入れしっかり。

「その爪でどうやってご飯作るの?」

ハサミを起用に使いこなし

野菜もうどんも、ぱちぱち。

なるほどー。

社宅は人生の学習塾となった。

小さな発見が毎日あった。

社宅は取り壊され、住宅地になっている。

今はみんなそれぞれの場所で暮らしているが

”てて”と”ててママ”にとっては、大事な家族。

ててママの日常は、こうでなければならない。と

思い込んでいたことだらけだったと教えられた。

厳しい父の教えで、

ててママの常識と正義が作られていた。

別に悪いわけではないが、十人十色。

どれも正解。

私は私、父は父、人は人、みんな違っていい。

エピソードがどっと溢れ出る。